当院で受ける歯髄温存療法の特長

• ルーペやマイクロスコープなどの機材を用いて行います。
• MTAセメントなどの効果の高い材料も選択することができます。

歯髄温存療法とは？

歯髄温存療法とは、むし歯を取り除いた結果、歯の内部にある歯髄が見えた場合でも取り除かずに保存する治療方法です。歯髄とは、歯の中に通っている血管や神経のことで、歯に栄養や痛みを伝える重要な役割があります。この治療法では、見えてきた歯髄の部分に保護する薬剤などを使用して、歯の神経を守ります。歯の神経を残すことができる可能性が高まり、将来的に歯を長く使える可能性が高まります。

使用される材料や技術のご紹介

歯髄への刺激が少ない素材（MTAセメント）

MTAセメント（Mineral Trioxide Aggregate）は、歯髄に直接使うセメント材料です。
以下のような性質を持っています。

• 高い封鎖性
  歯と材料のすき間を少なくし、微小漏洩を抑えられるため、歯の内部を清潔に保ちやすいです。
• 生体親和性
  歯髄細胞の修復を促す性質もあるため、神経を守りたい場面で有効です。
• 抗菌殺菌作用
  強アルカリ性で細菌の繁殖を抑える効果があります。
• 象牙質新生の促進
  二次象牙質の形成を促進します。

歯髄温存療法のメリット・デメリット

メリット

• 歯の寿命を延ばしやすい
  歯髄を除去すると歯の寿命は一気に短くなります。歯髄を残すことで、歯が健康的に保たれやすく、将来的に歯を抜くリスクや追加の治療リスクを抑えられる可能性があります。
• 痛みやしみの感覚が残る
  歯髄が生きているので、冷たい物や熱いものの刺激で痛みが出ることがあります。その一方で症状を感じることで異常があったときに早めに気づくことができます。歯の変化に気づきやすいのは早期治療につながります。
• 比較的短期間で終わる場合がある
  神経を抜く治療に比べて、治療回数が少なく済みます。ただし、むし歯の進行状態によって変わるため、個人差があります。

デメリット

• 再治療の可能性
  歯髄温存を試みても、歯髄への感染が広がっていて処置後に症状が出ることがあります。その場合は歯髄を除去する必要が出てくることがあります。
• 保険外診療
  自由診療で行う場合、保険適用外の薬剤などを用いるため治療に保険が適用されません。

歯髄温存療法の種類と手順

歯髄温存療法の種類

歯髄温存療法の流れ

歯髄温存療法の費用

歯髄温存療法の費用は、保険診療か自由診療かによって大きく異なります。保険診療範囲内で行える場合は比較的安価ですが、使える材料や方法が制限されます。一方、自由診療では最新の材料や技術を使うため、保険診療より費用が高額になります。

歯髄温存療法の注意事項

• 痛みやしみが残る場合
  治療後もしばらく（冷たい水がしみる）などの症状が続くことがあります。症状が長引く場合は、再度クリニックに相談してください。
• 歯の状態によっては適用できないケースがある
  むし歯が重度に進行している場合や、歯にひびが入っている場合、すでに深くまで感染が及んでいる場合など、歯髄温存療法が適応されない場合があります。適応可能かどうかは歯科医師の診断が必要です。
• 定期的なメンテナンスが必要
  歯髄温存療法を行った歯は、（むし歯や歯周病が進行しないよう）こまめにケアすることが大切です。歯髄が保存できたとは言え、むし歯のない健全な歯よりデリケートな歯になっています。定期検診と正しい歯磨きを心がけてください。
• 必ずしも成功が保証されるわけではない
  歯髄温存療法を行っても、歯髄に感染が広がり炎症を起こしてしまうケースがあります。歯髄を残すために症状を我慢しすぎるとかえって状態が悪化してしまう場合もあります。そうなる前に歯髄の除去を行う方が望ましいです。
  リスクとメリットを理解したうえで治療方針を決定しましょう。

よくある質問（Q&A）

歯髄温存療法と根管治療の比較

治療の目的

メリット・リスク

費用面